前西鷹君が Hypertext (古くからある会議なのでこういう古い語が名前に使われていますが要するに Web です)と Social Media に関する国際学会である ACM Hypertext で研究成果を発表しました.
前西君の論文は “Identifying Tags Describing Image Contents” というタイトルで,Instagram などに投稿された写真につけられたタグのうち,どれが写真に写っている中身に一番強く関係しているタグかを判定する手法に関するものです.
例えば,#flower, #iPhone という二つのタグがついた写真があるとします.写真に写っているのは花であり,iPhone というタグは iPhone を使って撮影したという意味でしょう.Instagram などでは,このような写真に関する「メタデータ」にあたるタグも多く付けられています.この時,写真の内容に関係しているのは #flower の方だと判定するのが目的です.今回提案する手法では,
という三つの集合を比較し,(1) の画像内容が (3) の画像内容よりも (2) の画像内容に似ているのであれば,#flower の方が画像の内容により強く関係するタグであると判定します.反対に (1) が (2) よりも (3) の方に似ているのであれば,#iPhone の方が画像の内容により強く関係するタグであると判定します.
下の図は #flower と #nature の場合です.#flower と #nature の場合は,どちらもメタデータではなく中身を表すタグですが,#flower の方が写真の中身への影響力が強いことがわかります.
今回の開催地はドイツの Hof という小さな町でした.
Hof は,東西ドイツが別れた時に,この小さな村の真ん中に国境が引かれたために村人たちが二つに分断されてしまい,Little Berlin と呼ばれていたそうです.会議初日終了後の夕方に,ガイドの人が会議参加者たちを当時の国境あとに連れて行って解説してくれる機会があり,
ガイドさん
「当時,この橋の向こう側に小学校がありました.ある朝,橋のこちらに住んでいる子どもが学校に行くために橋を渡ろうとして,突然,兵隊に呼び止められ,『お前は,今日から橋のこちらには入れない』と言われたのです.その時,いったい,その子はどんな気持ちだったことでしょう(悲しそうな顔)....そう.学校に行かなくて良くなって,とってもハッピーだったのです.」